てんかんとは発作を繰り返し起こしてしまう脳の病気です。年齢や性別に関係なく見られますが、ほとんどの方が薬により発作をとめることが可能です。てんかんの原因や効果的な医薬品、対策を正しく理解して冷静になって対応できるようにしましょう。

病名は聞いた事があるけれども、実際にはどの様な病気なのか分からない事はあるかも知れません。
その中でてんかんという病の原因は様々で、比較的単純なタイプから難治性と呼ばれる種類の物があります。

しかし中には産まれながらにしててんかんを患い、大脳の一部に傷を持つ患者さんもいます。
過去には治りにくい病とされていましたが、現在の医学では不治の病ではありません。

ここでは一般のてんかんに始まり、出産時に難産等の影響で子供の大脳に傷を負ったてんかんに至るまで説明します。
また検査方法にはじまり、診断・予防等についても触れていきます。

てんかんの検査方法と診断について

医師の問診

てんかんの診断には、発作を起こした当人を含め、家族歴・既往歴等のインタビューが必要です。
もし発作をした事が発端となり、意識の消失・発作等を起こし、医療機関への通院や入院に繋がる場合には、その時周辺にいた目撃者が診察に同行するのが理想的です。
何故なら一般的には当人はてんかん発作を起こした時の事を、失念しているからに他なりません。

また意識や精神状態・言葉の発声、脳神経、あるいは運動系等の神経が正常であるか否かのチェックが行われます。
この診察項目は多岐にわたりますが、どの辺りで異常が見られるかを診断する際に役立ちます。

てんかん発作の検査は、脳波検査・画像検査、血液検査が行われます。
まずその検査は脳波検査に始まりますが、その前に基本的な大脳の役割を把握しておきましょう。

人間の大脳には、電気信号を伝えるネットワークが作られ、尚且つ規則正しくバランスを保つ様に出来ています。
しかしてんかん発作が生じると、このバランスの維持が困難になります。
この状態を客観的に把握する為には大脳の脳波を調べる必要があり、脳波検査にて明確になる訳です。
その方法は、脳波検査で頭に多くの電極を付けた状態で実施されるのが一般的です。

この検査により他の病気の可能性等の切り分けが出来ますし、併せて血液検査が行い、検査をより確かな物とする方法もあります。

とは言え発作の経験があったとして、必ずしも脳波検査の最中に確認出来るとは限りません。
ですから確率を高めるに、繰返し検査・睡眠時での検査等が行われる事もあるでしょう。
この様にして検出率のパーセンテージを上げれば、正確性も向上するという訳です。

てんかんの中でも、出産時に脳に傷が付く事が原因とされる症候性の場合、前述した脳波検査を使えば疾患の有無は比較的分かりやすいと言えます。
何故なら大脳に特徴的な電気刺激が見られるだけに留まらず、症候性ならではの脳波波形が見られるからです。
この時点では当該電気刺激は、症候性てんかん特有の過剰放電の可能性が考えられます。

しかし同時に別の病の可能性も考え、血液検査を併せて行う事が一般的です。
血液検査の結果、別の病気の可能性は低いとなれば、大まかな検査箇所の絞込みに入り脳波画像検査が行われます。

脳波画像検査としてはCT検査等がありますが、症候性の場合はMRIでの検査が適切です。
てんかんの診断は、以上の検査結果から確定する事になります。

てんかんの症状を予防する方法

早起きする女性

てんかん発作が落ち着いている人でも、どの様なタイミングで症状が起きるのかというのは当人にもなかなか分からないでしょう。
ですから、周囲の人達の協力が必要です。家族が居れば、協力を求める環境は作りやすいでしょう。

ですからそれを前提にして、睡眠不足・疲労の蓄積、ストレスといった問題に取り組む事になります。
まずは、早寝早起の徹底をすればバイタルサインも安定するでしょう。
そうすれば生活のリズムが自然に出来、発作が起こる機会を減らす事に繋がります。

昨今ではテレビに加えテレビゲーム、パソコンやスマートフォン等のデジタル機器が一般的になり、様々なコンテンツを楽しめる時代になりました。
それらの中には沢山のカメラが一斉にフラッシュをたく場面や、演出上強力な光を描くコンテンツもあります。

しかし問題のある場面では視線を避ける等の対策を施した上で、適度に楽しむと良いでしょう。
通勤・通学の場合は、職場や学校に具体的な協力を求めると共に症状を伝えておき、主治医との連携も密にしておくことが大切です。

症候性てんかんの場合の予防法も他のてんかんとは基本的に変わらず、前述した注意点に配慮する事が大切です。
しかし発作を抑える為の根本的な予防法は、現在では外科手術がベターと言えます。

場合によっては切除が難しいという場所に、症候性の傷跡が見られる場合は発作消失率が減少する可能性があります。
とは言えしそれでも、発作の発生率を減少させる効果は期待出来るでしょう。

薬の服用や定期検査は必要

てんかんであったけれども、服薬や手術で社会復帰が可能と主治医から言われたとしても、定期的な検査は継続する事が大切です。
脳波検査は治療中であれば定期的に実施され、状況を観察する必要がありますが、治療が終了フェーズに突入したとしても、脳波検査は定期的に受診する方がベターと言えます。
勿論主治医と相談して決める訳ですが、たとえ服薬は不要と言われても、再発率の高いてんかんの場合もあります。
ですから、数年に1回程度は脳波検査を受けましょう。

またてんかんの予防法には、発作前のサインを見逃さない事が大切です。これは、当人にしかわからない物がほとんどです。
しかし身体的な感覚が鋭敏になる・鈍感になる、または手足が動かない等の形で現れ、これを身体感覚症状と言います。
加えて様々な模様が目に浮かんで来る等の感覚に襲われる視覚症状や、カンカン等の機械音や人の声が聞こえる等の症状を覚える聴覚症状もあるでしょう。

てんかんは不治の病ではありません

てんかんになる発症率は、全国レベルで見れば100万人程度の患者さんがいる計算になります。
そして、様々なてんかん発作を抑える薬剤等が開発されており、現在では7割から8割程度の患者さんがコントロールをして、日常生活を営んでいる訳です。

しかし中には薬は全く効かず、あるいは実質的に薬剤のメリットを受けられない患者さんがいます。
とは言え、てんかんの中でも治療の難しいと言われていた症候性てんかんでも、医療技術と研究の成果により外科手術が有効である事が判明しました。

その成果によりてんかんは不治の病ではなく、治る病というレベルに限りなく近づきつつあると言えるでしょう。

例えば出産場面を想定し、すんなりと赤ちゃんの頭が外界へと顔を出し、泣き始めれば呼吸を始めた事が分かります。
しかしながら出産に想定以上の時間が掛かると、その肉体的な負担は赤ちゃんの心拍数を増加させ低酸素状態が長くなる可能性が出てきます。
この影響は赤ちゃんの脳内にある大脳の一部に傷が付けられ、異常な電気信号を発信させる原因となり、てんかん発作に結びつくという訳です。
脳波検査を調べる検査方法なら、症候性である事は直ぐに判明します。
とは言え、どの様な場合でも直ぐに外科手術に踏み切る訳ではありません。

まずは、抗てんかん薬等の薬剤を利用して様子を見る形になるでしょう。
また2年2剤の法則に従い治療を進めそれでも薬剤が効かないなら、外科手術に進むという考え方が一般的です。
ちなみに2年2剤の法則とは、患者さんに2種類以上の抗てんかん薬を2年間服薬して貰う事です。

外科手術を受けるまで、自動車やオートバイ等の運転に許可が出ていない場合なら、手術後は運転の再開が出来るチャンスは残されています。
主治医の診断書等が必要不可欠ですが、たとえまだ治療中でも正しいタイミングで服薬を忘れずにしていれば、車両の運転は可能になるかも知れません。
特に自動車を利用しないと日常生活がままならない山間部等に住んでいる場合は、このチャンスを活かしたい所です。

現在はてんかんの患者さんが前述した様な車両を運転するには、ある条件が課せられ、一般に文章で公開されています。
その文章には発作を意味する文言が並び、過去に発作を起こした事があっても、最近発作が無ければ問題ありません。
とは言え抗てんかん薬等の服薬は、飲み忘れない様にする事が基本です。もし薬を飲み忘れたら、当日の運転は控えましょう。

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