テグレトールはカルバマゼピンを主成分とする薬です。
最初は1963年に、スイスやイギリスで抗てんかん薬として発売されましたが、日本では1966年以来、てんかんや三叉神経痛の治療薬として広く使われている歴史の古いお薬です。
1970年ごろからは、カルバマゼピンに躁状態を改善する作用があることが確認され、躁状態の治療薬としても1990年ごろから使われています。

躁状態を改善するテグレトールの効果は、やや強めです。抗てんかん効果は、弱めとなっています。
そして、てんかんの再発予防効果は中程度だと言われています。

テグレトールのメリットは、躁状態をコントロールする作用が強いこと、再発を予防する効果があること、妊婦さんや授乳婦さんへの影響が比較的少ないことがあげられます。
母乳への移行が少ないので、比較的授乳中の人にも使いやすい傾向があります。

そして、薬価が安いこともメリットです。
古くからある薬なので薬価が安く、ジェネリックもあるので、患者さんの経済的な負担が少なくて済みます。

効果が現れるまでには1週間から数週間ほどかかることもあります。
ゆっくりと効果が現れるタイプなので、急いで症状を何とかしたい時には不向きです。
また、抗うつ作用は弱いので、うつ症状が強い人にも不向きと言えます。

これらを総合的に考えると、テグレトールは興奮がそれほど強くない躁状態の人に向いているとされています。

テグレトールは、副作用が全体的には多めなことが少々難点ですが、大半の副作用は服用後2~3週間でなくなっています。
副作用として報告が多いのは、眠気やめまい、ふらつき、頭痛や吐き気です。
また、音が半音下がって聞こえるという聴覚変化があるので、音楽活動などをされている人には不向きかもしれません。

皮疹が出る人も時々います。時に皮疹が重症化する人もいるので、気が付いたら早めに担当医に連絡してください。
また、長期間服用していて急にやめると、症状のさらなる悪化を来して、思いもよらぬ事態になることもあります。
良くなったからと言って、自己判断で中止したりするのは厳禁です。必ず主治医に指示された用量用法を守って服用しましょう。

テグレトールは神経痛を和らげるためにも使用される

テグレトールは最初は三叉神経痛をコントロールするために開発された薬です。
そのため今でも三叉神経痛の治療薬としても使われています。

神経を介して痛みを伝える仕組みも、神経が過剰に興奮しててんかん発作が起きる仕組みも、どちらも様々なイオンが出入りする機能を調節することでコントロールして治療します。
したがって、イオンが神経に出入りする病気で適応できます。
三叉神経痛だけではなく、帯状疱疹後の神経痛や線維筋痛症、むずむず脚症候群などにも使われています。

線維筋痛症は、全身の広範囲に3カ月以上痛みが起きる病気です。
腰より上か下の痛み、体の右半身か左半身の痛み、身体の中心部分の痛み、この3つをすべて満たす広範囲な痛みが続きます。
18か所のポイントを指で押すと、11か所以上で痛みを感じる疾患です。

痛みの感じ方は人それぞれですが、中には血管の中をガラスのかけらが流れていくように痛い、という人もいます。
命に影響するような病気ではないのですが、痛みに耐えられずに自ら命を絶ってしまう人も3人に一人ほどの割合でいるという、残酷な病気です。
このような線維筋痛症の患者さんにも、テグレトールを使って痛みをコントロールすることがあります。

むずむず脚症候群は、夕方から夜にかけ、脚に虫が這っているようなムズムズした感じや、脚が熱い、脚がピリピリする、脚が痛いなどと言った症状を訴える病気です。
寝ている時やじっとしている時にこれらの症状が現れるので足をじっとしていられなくなり、睡眠中に何度も目を覚ましてしまい、眠れなくなります。
このような、むずむず脚症候群の患者さんにも、テグレトールを他の治療薬と併用して使うことがあります。

テグレトールは、他の薬との相互作用に影響を及ぼすものがたくさんあります。
受診する際は、必ずお薬手帳を持参して、担当医が今服用している薬がすべて把握できるようにしてください。
薬を正しく服用して、つらい症状を緩和しましょう。