てんかんとは、けいれんや失神などを主な症例とする脳の疾患で、100人に1人の割合で老若男女の誰にでも発症する疾患です。
脳の神経に異常な興奮性の電気活動が生じることにより、突然倒れて意識を失いけいれんを起こす大発作、自分の意志とは関係なく体の一部が勝手に動いたり、会話の途中でぼんやりしたと思ったら意識を失っているといった小発作などを引き起こします。

てんかんには脳の病気や事故などによる損壊など原因がはっきりしている「症候性」と、病気や損壊によるダメージが原因と疑われるものの、はっきりとその原因を特定できない「潜因性」、原因が全く分からず脳の体質と考えられている「突発性」の3種類があります。
その診断は、まず詳しい病歴のヒヤリングや身体的な診察があり、脳波検査とMRIやCTなどの画像検査を実施します。
脳波検査や脳画像検査の結果、てんかんの疑いがある場合は、てんかんに特化した「長時間ビデオ脳波モニタリング検査」という検査方法により最終的な特定となります。

ただ、この検査では「突発性」の判定を下すのは困難です。
突発性てんかんは多数の遺伝子の影響により引き起こされるのが原因と考えられているため、遺伝子検査で特定をする必要があります。
第1染色体と第2染色体に存在する特定の遺伝子に関する位置の塩基を確認することで、遺伝子の影響によるてんかんの発症リスクを検査することができます。
親からの遺伝により1つずつの継承した2つの遺伝子塩基の組み合わせである程度の特定が可能となっています。

ただし、遺伝子要因があるからといっても必ず子供に遺伝する訳では無く「てんかんになりやすい傾向」が遺伝すると考えられており、遺伝子とてんかん発症の関連については未だ全ての全容が明らかになっていません。
しかしてんかん発作を放置してしまうと、状況によっては命に係わる大きな事故に繋がりかねません。
過去に病気や損壊によるダメージを受けたことが無く、てんかん発作が疑われる場合は早めに病院で検査を受けることが大切です。

原因不明の突発性てんかんの検査方法について

てんかんの発症年齢分布は、新生児と乳幼児に最初のピークがあります。
20歳を過ぎると割合は低下し、50歳頃から増加します。そして70~80歳の年代の発症率が出生時と同じくらいの数字になります。

症候性てんかんと突発性てんかいの割合は、およそ4対6で突発性の方が多いといわれています。
目立った病歴がなくても、ある日突然誰にでも起こり得るものです。
人によってはてんかん発作を起こす前触れが現れる場合もあります。手足のしびれや、めまい、漠然とした不安感などです。
健康体の時にはなかった兆候がある際は、自己判断をせず医師へ相談することが大切です。

特に、遺伝子要因とのつながりが強い突発性てんかんは、親の代にてんかんの持病があったかどうかも重要になってきます。
2つの遺伝子のうち2つともに突発性てんかん発症リスクを高める遺伝子をもっている場合と、1つだけにもっている場合では、子に遺伝する確立は変わります。
そしてそれぞれの遺伝子パターンをもつ父と母の組み合わせによっても、さらに確立は変わっていきます。

継承した遺伝子塩基の組み合わせを調べる具体的方法は、第1染色体に存在する遺伝子の塩基を確認することで、発作が脳の一部から起こる「部分てんかん」の発症リスクを検査でき、第2染色体を確認することで、脳全体に興奮が起きる「全般てんかん」のリスクを調べることができます。
しかし先にも述べたように、遺伝子要因で必ず子の代にてんかんが遺伝するわけではなく、あくまでもなりやすい傾向が遺伝するということです。
なりやすい傾向の遺伝子をもっているだけでは発症することはなく、そこに何らかの原因がきっかけとなることで発症するともいわれています。
まだ明らかになっていないことも多い突発性てんかんですが、遺伝子との関係が解明され、検査方法が確立されていることは大きな進歩です。